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4歳児がけんだま名人に!憧れが引き出す子どもの意欲 -

先生や年上クラスに憧れてけん玉を手に取った4歳児たち。その上達ぶりにびっくり!


新年度がスタートしましたね。
保育園では「ママがいい!」とひっくり返って泣いている子がいます。
広いホールをぐるぐる走り回っている子がいます。
スモックを着たままじっとしている子がいます。
ゆっくりでいいんだよ・・・子どもたち、がんばれ。おとなたち、がんばれ。

新入園児の多い3歳クラスからは泣き声が響く4月の保育園ですが、進級した4歳、5歳クラスの「楽しい」時間や空間は始動しています。

けん玉をリズミカルに楽しむ5歳クラスになったばかりの子どもたちの姿が見られ、ごらんのように玉の上に乗せたり、「もしかめ」をリズミカルに続けたりする子もいます。

園児の心をつかんだ、けん玉の達人のパフォーマンス

昨年度、わたしたちの保育園ではけん玉ブームが巻き起こりました。
知人であるけん玉の達人を保育園にお招きし、ワークショップを開催したのがきっかけでした。
技を教わるというより、玉の穴に剣先をさして「どじょうすくい」をしたり、剣先に玉の穴をさして「たこやき」に見立てたり、けん玉を積木にして遊んだり。
二人、四人で玉を互いの剣先にさして知恵の輪みたいにしたり。
けん玉ひとつで、遊びがこんなに広がることを知り、わたしたち大人も夢中になりました。

また、パフォーマンスとして、達人がかっこよく技をきめる姿を見せてもらいました、その姿に、子どもたちの心はぐっとつかまれたようです。

そして、もうひとつブームとなった理由に、わが園のけん玉名人であるたけし先生の存在がありました。
巧みに技をするたけし先生のまわりには、いつも子どもたちが集まります。
見よう見まねで技に挑戦し、昨年の5歳児クラスでは卒園する頃に自分のことを「けん玉名人」と名乗る子どもたちが何人かいました。

本物に出会う、憧れの大人に出会うことで、子どもの「やりたい」「たのしい」「もっとうまくなりたい」という気持ちがどんどん広がっていくことをあらためて気づかされました。
そこには、友だちや、年上の子どもたちの存在も大切です。

4歳児もけん玉に挑戦、めきめき上達!

どんどんけん玉が上達していく年長さんたちの姿に、ひとつ年下の4歳児が憧れます。
年長児が使っていないときに自分の好きな色のけん玉を手に取って遊ぶようになったのです。

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そこで、40個ほどのけん玉をいつでも誰でも自由に遊ぶことができるように、また片付けもできるように、たけし先生が段ボールで収納ボックスを作ってくれました。
ところが、けん玉の糸が収納ボックスから出ていることも多かったため、糸を巻いて他のものとからまないよう、誰から見てもわかるよう、絵本棚にけん玉を立てて並べるようにしました。
けん玉の存在が保育園でもどんどん大きくなっていったのです。

最初は、窓ガラスの近くや友だちの側で遊ぶので、糸が大きく弧を描いてヒヤリとする場面もありましたが、遊びながら自分で考えたり気づいたりできるようになるものですね。

大きいクラスの遊びをどこか憧れて見ていた子どもたちの上達の速さにびっくり!
「4歳児がめきめき上手くなっている」と保育者たちの話題になりました。

やがて「みんなの前でやりたい」と言い、進級式の舞台で得意のけん玉を披露しました。
人前で披露することが楽しくなってきたようで
「お誕生会でやりたい」「みんなに見せてあげたい」と言って、発表の場を広げています。

この時の4歳クラスの担任は、けん玉に興味がなかったのですが、子どもと一緒に遊ぶようになりどんどん上手くなり、今やたけし先生の次の腕前になりました。(これもすごい!)

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この子どもたち、4月から5歳児クラスになり、マイけん玉を持って登園しています。
お母さんたちもびっくりするほどの上達ぶりです。
けん玉がブームではなく、保育園の日常の光景になっています。

こうした子どもたちの姿に刺激され、憧れて、3月まで年少組だった4歳児がすでにけん玉で遊ぶ姿が見られるのです。
年下の子どもたちの「やってみよう!」は憧れの存在がひきだしたものですね。
そんな憧れをとことん応援したいと思っています。

そして、わたしの目にとまったのは、玄関ホールにあるけん玉の棚をきれいに整理してくれたHちゃんの姿でした。
誰も気づかないところで、こうやって動いてくれる子がいるんです。

「けん玉がきれいに並んでいてうれしいね」

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執筆:加藤志保(保育園 園長、おもちゃコンサルタントマスター)

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